神聖でさわやかな気分(加藤大升)

加藤大升

2015年01月04日 02:05

単調だが神秘的なその曲を耳にすると心が鎮まっていく。

神聖でさわやかな気分がじんわりと全身に満ちてくるようにも思う。

疲れた日や、仕事のトラブルで殺気立った日の翌朝、いやな仕事を前にした気の重い出勤前などには、一服の清涼剤ともなる。

会社員を辞める最後の二年弱、私は大阪で単身赴任をした。

開館したてのサントリーミュージアム[天保山]の仕事で、連日、パニックのような日々が続いていた。

疲れ、苛立っていた私に、ある日、妻から一通の手紙が届いた。

その『グレゴリオ聖歌』をダビングしたテープが入っていた。

私は毎朝、始業前にミュージアム内の休憩室でそれを聴くのが日課となった。

加藤大升

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