しばらく途絶えていた朝に音楽を聴く習慣が復活したのは、自宅にミニコンポを入れてからだ。
目覚めてダイニングに行くと、そこには妻が選んだ音楽がすでに鳴っている。
クラシックなどに混じって、なぜか、暗い雨の朝には『サザン・オールスターズ』がよくかかったりする。
子供の在宅する休日には『チャゲ&飛鳥』が多いようにも思った。
「今朝は何?」と、まるで日替わり定食のメニューを見るような朝の楽しみができた。
そうした中の一曲に、『グレゴリオ聖歌』があった。
十二、三世紀頃に欧州各地のカトリック修道院で歌われていたアカペラ音楽を集めた二枚組のCDが、発売国のスペインで爆発的な人気となり、それが日本の若い人たちにもひろまりかけていた時期だ。
加藤大升